今日は話題の『構造計算偽造問題』について
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私は以前建築関係の仕事をしていました。プロフィルに有りますが、私は建築士資格を持っていますし、また兄が設計事務所を営んでいます。
先日兄と話したところ「あんな酷い申請書類は他には先ず無いし、偽造を見逃したのは確かに良くないが、確認会社でもまさかあそこまでしてくるとは思っていなかっただろう」と。普通、書類として残る図面を偽造したりしない。違法建築とされるパターンは、申請書類は合法的なものを作り、現場サイドで違法行為(図面通りに鉄筋を入れない等)をするのがほとんどだ。TVでよくこれは氷山の一角だと言う人がいるがあのような「偽造申請」など滅多に無く、問題は図面通りに工事をしないケースだ。実際に建っている「建物を超音波機器て調べる」なんて言ったら、建築業界に激震が走るかもしれない。本当の問題は、審査方法や図面の正否ではなく目の前に建っている建築物がどうなっているかだ。
経理でもそうだか、税務署に提出する決算書には得意先接待・調査費などと処理するが、実際は自分達で飲んだり遊んだりしてるケースは山のようにある。ただ、税務署が見逃してもだれも文句を言わないが、建築確認はそうはいかない。購入者はたまらない。
しかし、それを国や地方自治体が保障するのはどうなのか。違法建築で泣いている人は他にも多くいるし、その人たちや先日悪徳リフォーム会社に騙されたお年寄りには保障はない。更に震度5強で建物は倒壊するというが、構造計算は実際の強度の1/3で行うので壊れない可能性が高い。ニュースキャスターなどが偽正義感たっぷりに、国や地自体を責め必要以上に恐怖心をあおっているようにも見える。住人が「子供が怖くて一人で寝れないと言う」明らかに過剰なマスコミ報道が原因。解説で出てくる設計士も本当は「即刻退去しなければ危険なんて言い過ぎ」と思っていいるかもしれないが、そんな事言ったら"正義の味方"のキャスター様に姉歯の共犯者の様に言われてしまうだろう。
この事件のA級戦犯は設計事務所(姉歯)だろうが、いち設計事務所が自ら進んで7割も鉄筋カットする訳もない。経理もそうだが、顧客に頼まれ仕方なく脱税まがいの行為をするのであって自らするわけもない。黒幕がいることは確か。で、それは・・・・普通に考えれば偽造して鉄筋の材料代を削った事で一番得する人でしょうね。
建築業界の裏の裏…、が垣間見える記事でしたね!
あってはならないことですが、やらなければならないことって、世の中に、実はたくさん存在しているんでしょうね…。
私は構造設計に携わるものですが、今回の構造設計偽造を見抜けなかった審査機関、行政の主事は、一般的に殆ど見抜けないでしょう。彼らはあくまで役人(天下りして民間人)であり、実際の設計などしたことがありません。所謂、資格に付いて廻る技術が伴っていません(ペーパードライバー)。ただ、その他法令については大丈夫でしょうが、もともと構造設計については素人同様です。今回の計算書なり構造図を見ればプロなら一目で不正を見抜けるはずです。現在の日本の中では本当に専門知識を有する技術者はリストラされたり、会社の方針に従って不正に目を瞑っているのでしょう。若い技術者もコンピューターを操作するが、実際の経験(現場監理を含めた設計)の積み重ねがなく「感」が働きません。一見しておかしいと解るのがプロです。近頃、詐欺商法が巷に蔓延しておりますが、これも、組織化した大掛かりな詐欺商法でしょう。販売、建設ともに最初からだますつもりで行っているのでしょう。世の中の流れに乗り、安さを謳い文句(この手の話に弱い、本物を見分ける目がない)に多くの国民が毒牙にかかったとしか思えません。
Kさん・samさんコメント有難う御座います。
samさんのコメントで思うところがあったので、『「感」を養う手作業』と言う題で書いてみました。よろしかった読んでみてください。