先日、新聞にある企業が税理士の顧問料を比較できるサイトを近々開設するという記事があった。 『価格ドットコム』税理士顧問料版だ。
確かに顧問料が1円でも安いのは有り難いが、家電製品や車と違い、お客さんは税理士選びに際し安さが優先されるものなのか疑問がある。
私は、以前あったプロフィール(リニューアル後作り直してませんでした。[:ショック:])に書いたが、2度程会計事務所に勤務した経験がある。
1回目は、10年程前何が何だか分らない状態での始めての勤務と、数社の公開準備会社の財務を行なった後勤務した2回目です。
1回目の事務所でも顧客獲得は、優先課題でした。15人程の事務所で、所長も若くいろいろ新しいことに取組み、他との差別化を図っていました。でも『これだ!』という物は難しく、結局価格競争に巻き込まれて行きました。
私自身も、月に一回お客さんを訪問し帳票を預かり、パソコンに入力し結果を報告、年に1度決算を組み報告(可能ならば節税)。が税理士の仕事であると思っていた。しかし、社長に決算報告をしたところで余り興味があるとも思えないし、財務分析など説明しても退屈そうだった(私の未熟さもあるが)し、20代半ばの若造に気の利いた世間話もできなかった。
その後公開準備会社で会社内部の実務を学んだ。会計事務所勤務では見えないものが見えた。以前は帳票が経理の始まりだった。しかし、実務では新しい顧客が出来れば与信管理から始まり、売掛金も請求書発行すれば必ず入金される訳でもなく回収は大変だ。支出も稟議(決裁)が必要なものや、万が一支払を忘れでもしたら信用を失うケースもある。帳票が出来るまでには様々な事務作業が行なわれた後だと実感した。事務所勤務時に帳票の数字が合ってない場合には『この位合わせる事できないのかなー 全く!』と内心つぶやいていたが、立場が逆になり税理士や監査法人に『ここの合計あってませんよ』と言われると『こっちゃ 一人でいろいろやってんだ!細かい事いうな!』と内心つぶやいていた。[:びっくり:]
公開準備をする程度の会社なので、税理士事務所からは所長若しくはNo2が担当していた。確かに税法は完璧だ、しかし私が聞きたいのは税法ではない、内部管理体制面(正確な帳票を作るシステム方法)で、帳票ができる前の問題解決方法だった。何度か聞いたが予想した通りの回答が帰ってきた。『社内実務を知らない限界だよな、しかたない』と感じた。
2回目の事務所では、かなり多額の顧問料を貰っていた。今度は経験を活かし、月次決算を経営に活かす方法・帳票に問題があればフローどこに問題があるのか・恐らく経理担当者が困っているであろう問題点・社長が知りたいだあろう点等の提供がある程度できるようになった。
設立間もない時期なら少しでも顧問料が安い方を選ぶだろうが、ある程度社員が増えた(3人以上になれば)ならば、内部管理体制面で何かしら問題が起きているはずだ。月一回来てチンプンカンプンな試算表数字を説明されるよりも、抱えている問題を解決してくれるならば、多少高くてもそちらを選択するのではなかろうか。
とは言え、会計事務所勤務でどうやって社内実務を学ぶのかと言う大きな問題もある。2回目の事務所では、経験の無い人に関連会社(一般業種)の経理をさせていた。(ほとんど事務所では関連会社など無いだろうが)
兎にも角にも、社内実務では税法や商法よりも他に、財務面で聞きたいことがあることは確かだ。それを解決してくれるアドバイスを求めている。
1回目の税理士事務所勤務時代、知り合いの税理士で株式公開準備会社で財務を担当した人に「税務が経理だとおもってるだろ?」と言われた。その時は意味が分らなかったが(「あたり前だ」と思った)、後にその意味の深さが身にしみた。
ハンバーガーや牛丼、発泡酒の様に、税理士事務所も価格競争の体力勝負になってしまうのだろうか? ハンバーガーも牛丼も発泡酒も結局、限界だと正常な価格に戻すことになったが・・・・・・。
久しぶりに付けてみました[:down:]
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